表題作棘の住み処
- 攻響
- 義弟・中津川子爵の妾腹の息子
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- 受公也
- 義兄・中津川子爵の後継として育った養子
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あらすじ
中津川子爵の後継者として育てられた養子の公也は、子爵に妾腹の子がいることを知らされ、その子・響を弟として屋敷に迎え入れることになる。
人形めいた美しさの公也とは違い、響は父に似た男らしい容貌の若者だった。
父の前では素直な青年を演じてみせた響だが、公也と二人きりになると豹変し、嫡子の地位と引き換えに身体を差し出すよう命じてくる。
何不自由なく生きてきた公也を、それ故の美しさを響は憎んでいた。
跡継ぎとしての自分にしか価値を見出せない公也は、蔑みながらも、義弟である響に抱かれることを選ぶが―。