表題作幼馴染み~荊の部屋~
- 攻能登敦朗
- 幼馴染みでコンサルティングマネージャー
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- 受石井舟
- 医療機器専門商社の経理、小学五年生~29歳
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あらすじ
あいつの心に爪痕だけでも残ればいい――
肌冷えする梅雨のある日、母の葬儀を終えた石井舟の元に、
華やかな雰囲気を纏った長身の男・能登敦朗が訪ねてくる。
二人は十年ぶりに再会する、幼馴染みだった。
十年前、地味で控え目な高校生だった舟は、自分とは対極の
溌剌とした輝きを持つ敦朗に、焦がれるような想いを抱いていた。
しかし、親友ですらない、ただの幼馴染みであり続けることに耐えかね、
大学受験を控えたある日、舟は敦朗と決別することを選んだ。
突然の来訪に戸惑い、何も変われていない自分への苛立ちを覚える
舟の脳裏に、彼と重ねた、苦しくも甘美な日々の記憶が鮮明に蘇り――。