表題作背徳の契り
- 攻斎賀顕世
- 26歳,反政府組織に属する元幕臣
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- 受青柳睦月
- 19歳,農村の窮状直訴に来た青年
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あらすじ
明治元年、維新後の日本。困窮した故郷を救うため、家族と幼馴染みを残して京都にむかった睦月。そこで出会ったのは、志を同じくするもこれまで出会ったことがないほど力強く、そしてどこか不思議な雰囲気を持つ青年顕世だった。陥穽うずまく京の地で本名をさらすことはできず偽名「睦月」を名乗ったが、顕世と過ごす時間がやがて睦月の心を紐解いてゆく。ようやく気持ちを繋いだとしても、自分は最初から、彼を裏切っている……。貴方に、名を呼んでほしい。雪華舞う一月――、睦月の、本当の名前を。切ない歴史ファンタジー!
明治初頭、維新後の日本。故郷の窮状を新政府に訴えるため京都にむかった睦月が出会ったのは、並外れた剣の腕を持ち、凄みさえある怜悧な美貌の青年・顕世だった。反政府組織を名乗る彼らに助けられた睦月は思わず偽名を名乗るが、同じ部屋に暮らすうちに二人の心は次第に結びついてゆく。けれど、顕世にも何か秘密があるようで……。迫る決行の日を前に真実を伝えられない。貴方に本当の名前を呼んでほしい――。