あらすじ
俺は国塚さんのことを取られたくない!国塚に似たその男に初めて会った静流は……。「俺は、丹野さんに信じてもらいたいんです」写真撮影中、間宮はついに国塚と顔を合わせる。「本当に血が繋がってたとしても、俺は国塚さんをあきらめることなんてできなかった。あの人以外はいらない。だから、お願いだから国塚さんのこと、俺から取らないでよ!」聞いている方の胸が痛くなるような切ない懇願に、丹野は咄嗟に答える言葉もなかった。自分は、嫉妬しているのかもしれない……。俳優として活躍する丹野にとって、まだ子どものような静流を騙すことなど、簡単だった。――嘘は得意だ。