表題作今、風が梢を渡る時〈前編〉
- 攻鴇浦智巳
- 17歳,旧制高校一年
-
- 受沢良木犀
- 17歳,旧制高校1年
-
あらすじ
旧制三高の寮を舞台に描く、感動の青春模様
大正時代。貧農の息子だが神童と呼ばれ、村長の養子となった沢良木犀。だが、義母や義兄に虐められ、他人との間に距離をおく寡黙な青年になっていた。
男ばかりの寄宿舎で、白皙美貌の沢良木は同室の男に襲われかけ、部屋替えが行われた。新しい同居人は鴇浦智巳。大阪・堺の裕福な薬商人の次男で穏やかで誠実。沢良木を貶める噂も聞き流す。
共に医学を志す二人の、京都三高の寮生活を通して、暖かい心の交流を描く感動作。いじめ、嫉妬、暴行の果てに…?